歯医者で受診した際、領収証を確認すると「初診料」という項目が記載されているケースがあります。
このタイミングで「あれ?初めて受診したわけではないのに、なぜ初診料がかかるの?」と思う方がいるでしょう。
実は、初診料は初めて受診した場合でなくてもかかるケースがあるのです。
今回は、そんなケースを含めて歯医者の初診料について解説します。
本記事は以下の人におすすめです。
- 初めて受診しているわけではないのに、初診料が請求されて疑問に思っている
- そもそも初診料がかかる条件を知りたい
- 歯医者の初診料はいくらかかるか知りたい
歯医者の初診料について知りたい方、どんな時に初診料がかかるのか知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
歯医者の初診料とは?
歯医者の初診料とは「1つの病気に対して初めて受診した時にかかる費用」のことです。
「初めて歯医者で受診する際にかかる費用」ではないため、注意してください。
どんな時に歯医者の初診料はかかる?
歯医者の初診料がかかる条件は2つです。詳しく解説していきます。
【歯医者の初診料がかかる条件①】1つの病気に対して初めて治療を行う時
1つの病気に対し、初めて治療を行う場合は初診料がかかります。
たとえば、ずっと同じ歯医者でむし歯治療を行っていたとしましょう。
この間、初診料は当然かかりません。
しかし、むし歯治療の過程で、もし別の疾患が見つかった場合どうなるでしょうか。
この場合、その疾患の治療を行う際には初診料が発生するのです。覚えておきましょう。
【歯医者の初診料がかかる条件②】前回の来院から3ヶ月間空いた時
歯医者で同じ疾患を治療し続ける場合は、初診料がかかりません。
しかし、前回の来院から3ヶ月間空いた状態で来院すると、初診料がかかるため注意が必要です。
歯医者の初診料はいくらかかる?
歯医者の初診料は、厚生労働省の診療報酬で定められています。
診療報酬点数は、2022年12月現在で264点です。※2024年6月1日からは267点に引き上げられます
診療報酬は1点につき10円の計算になるため、264円×10円で2,640円になります。
健康保険加入者の場合、3割負担となるため、792円(2,640円×0.3)が実費で支払う料金です。
歯医者の初診料と再診料はなにが違う?
1つの病気に対して初めて受診した時にかかる費用が初診料です。
一方で、同じ病気を治療するために受診した場合は、再診料がかかります。
再診料は、初診料同様に厚生労働省の診療報酬で定められており、2022年12月現在で56点です。※2024年6月1日からは58点に引き上げられます
診療報酬は1点につき10円の計算になるため、56円×10円で560円になります。
健康保険加入者の場合、3割負担となるため、168円(560円×0.3)が実費で支払う料金です。
歯医者の初診にかかる時間は?
歯医者の初診時にかかる時間は、およそ30分〜60分程度です。
初診時には口内環境を調べるために、検査やレントゲン撮影を行う場合があります。
また、来院した際の受付時には、問診票記入やカルテ記入が必要です。
来院する際は、時間に余裕を持って来院しましょう。
歯医者の初診時に準備すべき物は?
歯医者の初診時に準備すべき物は主に以下が該当します。
- 診察券
- 保険証
- おくすり手帳
- 他院からの紹介状
- 義歯
- 歯(割れる・抜ける、欠けるなどしたもの)
- かぶせもの
特に保険証とおくすり手帳は必需品です。必ず持参しましょう。
また、他院から紹介を受けて受診する場合は、紹介状を持参してください。
かぶせものや歯が割れる・抜ける、欠けるなどしたものがあれば、合わせて持参しましょう。
大学病院の歯医者の初診料は高い?
大学病院の歯医者で治療を受ける場合、初診料が高くなるケースがあります。
それは、紹介状なしで受診した場合です。
紹介状なしで歯医者を受診すると、初診料で3,000円以上かかります。
紹介状なしの場合、初診料が高くなる理由は、大学病院が「急患や重篤患者を診る立場」にあるからです。
もし、大学病院がクリニックと同じ料金で設定してしまうとどうなるでしょうか。
軽症の患者さんが大学病院に殺到し、大学病院自体が本来の役割を果たせなくなるでしょう。
そのため、大学病院では初診料を高く設定しているのです。
かかりつけの歯医者から大学病院へ紹介される際は、必ず紹介状を持参して受診しましょう。
歯医者の初診料が余計にかからないために
歯医者の初診料は、前回の来院から3ヶ月間空いた状態で来院すると発生します。
そのため、歯医者で治療を受ける際はこまめに受診しましょう。
1度治療をとめてしまうと、再び受診するのが億劫になり、先延ばしになりがちです。
また途中で治療を中断してしまうと、症状が改善しないばかりでなく、悪化することもあるでしょう。
確実に歯のトラブルを改善するためにも、歯医者で治療を受ける際は、歯医者から提案された日程で受診するようにしましょう。
まとめ
今回は、歯医者の初診料について解説しました。
歯医者の初診料とは「1つの病気に対して初めて受診した時にかかる費用」のことです。
そのため、むし歯治療している過程で別の疾患に関する治療を始めた場合、初診料がかかります。
また、前回の来院から3ヶ月間空いた場合も同様に初診料がかかるのです。
歯医者の初診料は、3割負担の方で783円かかります。
たとえば、6回来院して初診料を払い続けた場合、初診料だけで合計5,000円弱かかるのです。
歯医者で余計に初診料をかけないためにも、また症状を悪化させないためにも、治療中の方は継続的に受診することをおすすめします。
受診の際は、診察券や保険証、お薬手帳などをお忘れなく。
記事執筆者
廣瀬哲人
株式会社ENロジカル代表
京都大学医学部医学研究科在学中に脳神経の形成機構の研究に従事。
在学中に起業し、事業売却を経験。
自身もwebのディレクターとして従事し、経営する会社ではいくつものwebメディアを運営している。
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記事監修者
歯科医師/岡本孝博
高知県の僻地出身
高校卒業後、アパレル業界へ。デザイナーを経験後、歯科医師になる。
2008年より、京都大学医学部附属病院に勤務。基幹病院病棟医長/外来医長、地域基幹病院歯科口腔外科の所属長、地域医療連携における部門部長、難治性外来非常勤医師を務める。また、研修指導医取得はじめ数々の認定医資格を取得
2018年に㈱スクリエを創業
共同記事監修者
管理栄養士/西岡愛梨
管理栄養士として大手医療法人の病院や介護老人保健施設に勤務しながら、大阪市立大学大学院へ進学。当時の研究テーマで日本病態栄養学会の若手研究特別賞を受賞した過去をもつ。現在は後期博士課程に在籍しながら、京都大学や地域中核病院での研究調査に携わっている。