歯科医院や病院の歯科口腔外科では「5枚法」と呼ばれる口腔内写真を撮影することがあります。
しかし、一眼レフカメラを使用し、特にミラー角度調整が難しく、歯科医師・歯科衛生士の皆様でも練習が必要とされる作業です。また、ミラーをお湯で温める事前準備やエアーフローの補助スタッフが必要です。
「なぜ撮影するのだろう?」と疑問に思っている歯科医師さん・歯科衛生士さんも多いでしょう。
そこで本記事では、口腔内写真5枚法と、これを撮影する目的を解説します。
口腔内写真5枚法とは?
口腔内写真5枚法とは、以下5枚の規格された口腔内写真を指します。
- 噛んだ状態での正面、右側、左側、合計3枚
- お口を開けた状態での上顎、下顎、合計2枚
この5枚を撮影することで、お口の中の状態をほぼ全て観察することができます。
口腔内写真5枚法の目的は?
歯科医院や病院が口腔内写真5枚法を撮影する目的は、主に以下の4点になります。
患者さんとのコミュニケーション
口腔内写真5枚法は、患者さんに対して治療計画や治療経過を説明する際に有効です。
患者さんが自分の口腔内の状態を理解し、治療の進捗や効果を確認できることで、治療への理解と納得が深まります。これにより、治療への協力度が向上し、より良い治療結果が期待できます。
また、歯周病患者画像活用指導料など、特定の患者さんに口腔内写真を活用して指導する場合は、保険点数を算定できます。
歯周病患者画像活用指導料の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
治療計画の立案、治療経過の評価
口腔内写真5枚法は規格された写真のため、歯科医師が治療計画を立案したり、治療経過を評価することにも役立ちます。歯列矯正のような大きな治療ほど、5枚法の写真を撮影することが多いでしょう。
マウスピース型矯正装置の作成
インビザラインなどマウスピース型矯正装置の作成依頼時に、顔貌写真とともに口腔内写真5枚法の提出が必要となることがあります。
学会での症例発表
口腔内写真5枚法は、学会での症例発表の際の標準的な写真となっています。口腔内写真5枚法が必須とされている学会もあります。新しい治療法や技術を研究されている歯科医師さんは、珍しい症例の患者さんの口腔内写真5枚法を撮影するでしょう。
口腔内写真5枚法をスマホカメラで簡単撮影
- 患者さんとのコミュニケーション
- 治療計画の立案、治療経過の評価
- マウスピース型矯正装置の作成
- 学会での症例発表
と様々な目的で撮影される口腔内写真5枚法ですが、前述のように一眼レフカメラの使用・ミラー角度調整が難しく、練習が必要です。また、ミラーをお湯で温める事前準備やエアーフローの補助スタッフが必要で、時間と手間がかかります。
そこでスクリエは口腔内写真5枚法をスマホカメラで簡単に撮影できるスマホ取付口腔内撮影ミラー(HAKKENミラー)を開発しました。
スマホ取付口腔内撮影ミラー(HAKKENミラー)
HAKKENミラーは、スマホとミラーを最適な角度に固定。
また、曇らないミラーでお湯で温める事前準備やエアーフローが不要です。
上下顎写真を1人で素早く撮影することができ、従来のような練習も必要ありません。
近年の性能向上により、スマホカメラでも鮮明な上下顎写真を撮影することが可能になりました。
一眼レフカメラでの撮影に負担を感じていらっしゃる方は、ご利用をご検討ください。
記事監修者 歯科医師/岡本孝博
高知県の僻地出身
高校卒業後、アパレル業界へ。デザイナーを経験後、歯科医師になる。
2008年より、京都大学医学部附属病院に勤務。基幹病院病棟医長/外来医長、地域基幹病院歯科口腔外科の所属長、地域医療連携における部門部長、難治性外来非常勤医師を務める。また、研修指導医取得はじめ数々の認定医資格を取得
2018年に㈱スクリエを創業