【歯医者のフッ素は安全?】現役歯科医師がフッ素のメリット・効果、費用や注意点を解説します

「歯医者で定期的にフッ素を塗られているけれど、どんな効果があるのか気になる…そもそも安全なのだろうか…」
このような疑問を持ったことはないでしょうか?

またフッ素と聞くと、人体に影響があるのでは?と思う方がいます。
そこで今回は、歯医者におけるフッ素の安全性やメリット・効果、費用や注意点を解説します。

本記事は以下の人におすすめです。

  • 定期的に歯に塗られるフッ素が安全かどうか知りたい
  • フッ素を塗るとどんな効果が得られるのか知りたい
  • フッ素はどのぐらいの費用で塗れるのか知りたい

フッ素の安全性やメリット・効果、費用や注意点について詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

歯医者におけるフッ素は安全?

フッ素は、普段私たちが口にする食品や体内に含まれている元素です。
味噌汁やお茶、清涼飲料水などに含まれているのです。

そのため、少量のフッ素を口に含んでも問題ありません。

確かにフッ素は大量に摂取することで中毒症状が現れ、身体に悪影響が出る場合があります。
しかし歯医者で使用されるフッ素は、適正な濃度を歯の表面に少量塗るため、安全です。

フッ素は、人体や動物、植物などにも含まれます。
またお茶や飲料水などにも含まれるのです。そのため、少量摂取しても問題ありません。

【歯医者におけるフッ素のメリット・効果①】むし歯菌の活動を抑制する

フッ素は、むし歯菌が酸を出すのを抑える働きを持っています。
そのため、フッ素を歯に塗ることで、むし歯菌の活動が抑えられるのです。

【歯医者におけるフッ素のメリット・効果②】歯の再石灰化が促進される

脱灰(歯が酸によって溶かされる)を修復するのが再石灰化になります。
フッ素は再石灰化の働きを促進する働きがあるのです。

【歯医者におけるフッ素のメリット・効果③】歯が強化される

私たちの歯は酸で溶けやすい性質を持っています。
しかし、フッ素を塗ることによってより虫歯予防効果が高くできます。

歯医者・自宅で使用されるフッ素の種類は?

フッ素は、歯医者で使用されるものと自宅で使用されるものとで濃度が異なります。
それぞれの特徴について解説します。

【歯医者・自宅で使用されるフッ素の種類①】高濃度フッ素

歯医者では自宅で使用できない高濃度のフッ素(9,000ppm程度)を使うことができます。
効果は3ヶ月程度と言われていますので、効果を持続させたい方は3ヶ月に1回程度歯医者で高濃度フッ素を塗ってもらいましょう。

【歯医者・自宅で使用されるフッ素の種類②】フッ素配合歯磨き粉

自宅で使用可能な歯磨き粉です。
歯磨き粉を多めに使い、すすぎを軽く済ませると、フッ素が口内に留まって効果が持続しやすいでしょう。

就寝中は唾液量が少なくなります。そのため寝る前にフッ素配合の歯磨き粉で歯磨きすることで、口内にフッ素が留まりやすくなり、効果的です。

フッ素配合歯磨き粉の濃度は1,500ppmまでになります。

一方で歯医者で使用されているフッ素の濃度は9,000ppm程度です。より高い効果を求める場合は、歯医者でフッ素を塗ってもらいましょう。特に幼児期では高い効果があるとされています。

なお、ドラッグストアなどで市販されているフッ素配合の歯磨き粉は、濃度が低いことが多いです。
1,450ppmなど比較的濃度の高い歯磨き粉は、子供への使用は控えなければならず、歯科医院専売品とされていることが多くなっています。

歯医者に相談し、お子様の年齢に合ったフッ素濃度の歯磨き粉を使用してください。

【歯医者・自宅で使用されるフッ素の種類③】フッ素洗口液

自宅で使用可能な洗口液になります。
口に含んでうがいするだけなので、手軽に使用できる点でおすすめです。

刺激が強いと感じる方は、ノンアルコールタイプを使用してください。
就寝前に使用すると効果的です。

【歯医者・自宅で使用されるフッ素の種類④】フッ素ジェル

自宅で使用可能なジェルになります。
食後や就寝前の歯磨き後に使用したり、単体で使用したりしても問題ありません。

ジェルを歯に塗った後は、うがいせず、唾で吐き出す程度に留めるといいでしょう。

歯医者におけるフッ素の費用は?

フッ素の費用は1,000円程度です。(クリーニング込み)
歯医者によっては、子供と大人で費用が変わる場合があります。

気になる方は事前にホームページなどで確認しておきましょう。

歯医者におけるフッ素の注意点は?

歯医者でフッ素を塗る上で注意しなければならないことをまとめました。
フッ素を歯に塗ることを検討している方は参考にしてみてください。

【歯医者におけるフッ素の注意点①】フッ素を使用しても完全にむし歯は防げない

フッ素はむし歯予防に効果があります。
しかし、フッ素を使用したからといって、絶対にむし歯が防げるわけではありません。

むし歯予防のためには、普段の歯磨きやフロスなどを使ったセルフケア、歯医者での定期的なクリーニングなども必須です。
フッ素を歯に塗る際は、上記のむし歯対策と並行して行うようにしましょう。

【歯医者におけるフッ素の注意点②】定期的にフッ素を塗らないと効果が持続しない

フッ素の効果は約3ヶ月です。
そのため3ヶ月に1回、フッ素を塗らなければ効果は持続しません。

フッ素を使用して効果的なむし歯対策を行いたい方は、定期的に歯医者に通いましょう。

まとめ

今回は、歯医者におけるフッ素の安全性やメリット・効果、費用や注意点を解説しました。

「フッ素って安全?」
このように疑問を持つ方がいますが、少量のフッ素を使用することは問題ありません。

フッ素には以下のメリット・効果があります。

  • むし歯菌の活動を抑制する
  • 歯の再石灰化が促進される
  • 歯が強化される

フッ素を歯に塗ることで、むし歯対策になるため、おすすめです。

フッ素は歯医者だけでなく、自宅でも使用できるものがあります。

むし歯対策を徹底したい方は3ヶ月に1回、歯医者でフッ素を塗ってもらい、自宅でもフッ素でケアするといいでしょう。

注意すべき点は、フッ素を歯に塗ったからといって、必ずむし歯が防げるわけではないということです。
むし歯予防のためには、普段の歯磨きやフロスなどを使ったセルフケア、歯医者での定期的なクリーニングなども必須です。

フッ素を歯に塗る際は、上記のむし歯対策と並行して行うようにしましょう。

記事執筆者
廣瀬哲人

株式会社ENロジカル代表
京都大学医学部医学研究科在学中に脳神経の形成機構の研究に従事。
在学中に起業し、事業売却を経験。
自身もwebのディレクターとして従事し、経営する会社ではいくつものwebメディアを運営している。
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記事監修者
歯科医師/岡本孝博

高知県の僻地出身
高校卒業後、アパレル業界へ。デザイナーを経験後、歯科医師になる。
2008年より、京都大学医学部附属病院に勤務。基幹病院病棟医長/外来医長、地域基幹病院歯科口腔外科の所属長、地域医療連携における部門部長、難治性外来非常勤医師を務める。また、研修指導医取得はじめ数々の認定医資格を取得
2018年に㈱スクリエを創業

共同記事監修者
管理栄養士/西岡愛梨

管理栄養士として大手医療法人の病院や介護老人保健施設に勤務しながら、大阪市立大学大学院へ進学。当時の研究テーマで日本病態栄養学会の若手研究特別賞を受賞した過去をもつ。現在は後期博士課程に在籍しながら、京都大学や地域中核病院での研究調査に携わっている。

西岡愛梨