【どれぐらいの頻度で通えばいい?】歯医者のクリーニングに通う頻度を現役歯科医師が解説します

「歯医者のクリーニングは大事だとわかっているけど、どのぐらいの頻度で通えば良いの?」

このように疑問に思っている方はいるのではないでしょうか?

歯医者で行うべきクリーニング頻度は、人によってさまざまです。
なぜなら、人によって口内環境が異なるからです。

本記事は以下の人におすすめです。

  • どのぐらいの頻度で歯医者のクリーニングに通えば良いか知りたい
  • 汚れが目立つ場合、どのぐらいの頻度で通えば良いか知りたい

今回は歯医者のクリーニングに通う頻度について解説します。
クリーニングの頻度について知りたい方は、参考にしてみてください。

歯医者のクリーニングは行くべき?

歯垢や歯石の溜まりやすさは、人によって異なります。

口内環境もさまざまであるため、汚れが溜まりやすい人もいれば、溜まりにくい人もいるのです。
しかし、いずれの状況であっても、歯医者のクリーニングは行くべきと言えます。

なぜなら、自分では口の中全てを見ることはできず、セルフケアだけで全ての汚れを落とすのは難しいからです。

毎日念入りにセルフケアをしている人であっても、気付かない汚れが溜まっていき、虫歯や歯周病といった口内疾患が発生することもあるのです。

必ず定期的に歯医者に行き、歯のクリーニングを行いましょう。

歯医者で行うべきクリーニング頻度は、人によって異なる

口内環境は、人によってさまざまです。

歯周病や虫歯が進行している人もいれば、口内疾患が無く、健康的な歯を保っている人もいます。そのため、人によって適切なクリーニング頻度は変わるのです。

口内環境が悪化している人は、高頻度でクリーニングを行うべきでしょう。
一方で、口内環境が良好な人や適切なセルフケアができる人は、6ヶ月に1回の頻度でも問題ないと言えます。

【歯医者で行うべきクリーニング頻度】6ヶ月に1回の人

口内環境が良好な人や適切なセルフケアができる人であれば、6ヶ月に1回の頻度でも問題ないでしょう。

本項では、6ヶ月に1回のクリーニング頻度でも問題ない人の特徴を解説します。
歯医者のクリーニングに通う頻度の目安として参考にしてみてください。

適切なセルフケアができる

口内環境が良く、上手に歯磨きができる人は、虫歯や歯周病などのリスクが低いです。
また、電動歯ブラシでケアしている人や、フロスや歯間ブラシでケアしている人も同様と言えるでしょう。

自分で汚れやすい場所、ケア方法をわかっている人であれば、低頻度のクリーニングでも問題ありません。

歯並びが良い

歯並びが良いと、食べカスが溜まりにくいです。
また歯磨きがしやすいため、虫歯などの口内疾患が防止しやすくなります。

歯肉ポケットが2mm以下

歯肉ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が2mm以下の人であれば、6ヶ月に1度のクリーニング頻度でも問題ないでしょう。

歯肉ポケットの状態は、歯医者で検査してもらうことで把握できます。
気になる人は調べてもらいましょう。

【歯医者で行うべきクリーニング頻度】3ヶ月に1回の人

本項では、3ヶ月に1回のクリーニング頻度でも問題ない人の特徴を解説します。
歯医者のクリーニングに通う頻度の目安として参考にしてみてください。

セルフケアの習慣がある

普段から歯磨きを怠らず、歯間ブラシやフロスでケアしている人は、クリーニング頻度を3ヶ月に1回にしても問題ないと言えるでしょう。

歯肉ポケットが3mm以下

歯肉ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が3mm以下の人であれば、セルフケアで歯垢が除去しやすいため、3ヶ月に1度のクリーニング頻度でも問題ないでしょう。

【歯医者で行うべきクリーニング頻度】1ヶ月〜2ヶ月に1回の人

セルフケアが苦手で、口内環境が悪い人は1ヶ月〜2ヶ月に1回の頻度でクリーニングしましょう。

本項では、1ヶ月〜2ヶ月に1回の頻度でクリーニングするべき人の特徴を解説します。
歯医者のクリーニングに通う頻度の目安として参考にしてみてください。

セルフケアが苦手

歯磨きや歯間ブラシでケアする習慣がない人や、歯磨きが苦手な人は高頻度でクリーニングしておきましょう。

セルフケアが苦手な方は、歯垢がどんどん溜まり、虫歯や歯周病の原因となる歯石が溜まります。
必ず1ヶ月〜2ヶ月に1回の頻度でクリーニングしておきましょう。

虫歯や歯周病などの口内疾患がある

既に虫歯や歯周病などの口内疾患がある人は、治療と平行してクリーニングを高頻度で行うべきです。
また、口内疾患が完治した後であっても、再発する可能性があります。
そのため、1ヶ月〜2ヶ月に1回の頻度でクリーニングを継続していきましょう。

歯並びが悪い

歯並びが悪い人は、食べカスが溜まりやすくなります。また歯磨きをしても、磨き残しが発生し、歯垢が溜まりやすくなるのです。
これらの要素は、虫歯や歯周病のリスクを高めます。

口内疾患予防のためにも、1ヶ月〜2ヶ月に1回の頻度でクリーニングを行いましょう。

歯肉ポケットが4mm以上

歯肉ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が4mm以上の人は、歯ぐきの深い位置に歯垢がこびりつく可能性があります。
そのため、歯磨きだけでは歯垢を除去しづらくなるのです。
放置しておくと、歯周ポケットが深くなり、歯周病のリスクが増えます。

必ず1ヶ月〜2ヶ月に1回の頻度でクリーニングをしましょう。

タバコを吸う習慣がある

タバコに含まれるニコチンは、歯ぐきの血流を悪化させ、歯周病のリスクを高めます。
また、唾液量も減少してしまうため、歯垢が溜まりやすくなる可能性があるのです。

タバコを吸う習慣がある人は、1ヶ月〜2ヶ月に1回の頻度でクリーニングしておきましょう。

歯医者で行う主なクリーニング

歯医者で行う主なクリーニングを解説します。
歯のクリーニングについて知りたい人は参考にしてみてください。

歯石取り

歯石取りではスケーラーと呼ばれる、歯石除去のための器具を使用し、歯石を取り除くのが一般的です。

これ以外にも、ルートプレーニング(歯周ポケットの深い場所にある歯石を除去する手法)という手法があります。
また、ルートプレーニングで歯石除去できない場合、フラップ手術(歯周ポケットのより深い場所にある歯石を除去する手法)が適用されるケースがあるでしょう。

PMTC

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、専門家(歯科衛生士など)によって行われる歯のクリーニングのことです。

まとめ

今回は、歯医者で行うべきクリーニング頻度について解説しました。

口内環境は人によって異なります。そのため適切なクリーニング頻度も人によって変わるのです。
適切なクリーニング頻度を知りたい人は、1度歯医者で検査を受けましょう。
そうすることで、適切なクリーニング頻度を教えてもらえます。

なるべくクリーニング費用を抑え、歯医者に通う頻度を減らしたい方はセルフケアをしっかり行いましょう。
セルフケアを行うことで、歯垢や歯石の溜まるスピードが減り、口内疾患予防につながります。

自身に最適なクリーニング頻度を把握し、定期的に歯をクリーニングして健康的な生活を送りましょう。

記事執筆者
廣瀬哲人

株式会社ENロジカル代表
京都大学医学部医学研究科在学中に脳神経の形成機構の研究に従事。
在学中に起業し、事業売却を経験。
自身もwebのディレクターとして従事し、経営する会社ではいくつものwebメディアを運営している。
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記事監修者
歯科医師/岡本孝博

高知県の僻地出身
高校卒業後、アパレル業界へ。デザイナーを経験後、歯科医師になる。
2008年より、京都大学医学部附属病院に勤務。基幹病院病棟医長/外来医長、地域基幹病院歯科口腔外科の所属長、地域医療連携における部門部長、難治性外来非常勤医師を務める。また、研修指導医取得はじめ数々の認定医資格を取得
2018年に㈱スクリエを創業

共同記事監修者
管理栄養士/西岡愛梨

管理栄養士として大手医療法人の病院や介護老人保健施設に勤務しながら、大阪市立大学大学院へ進学。当時の研究テーマで日本病態栄養学会の若手研究特別賞を受賞した過去をもつ。現在は後期博士課程に在籍しながら、京都大学や地域中核病院での研究調査に携わっている。

西岡愛梨