「最近歯がぐらつく…歯周病かな…」
このようにお困りの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
歯がぐらつく場合、歯周病になっている可能性があります。
しかし、歯がぐらつく原因はそれだけではありません。
他の要因で歯がぐらつく場合もあります。
そこで今回は、歯がぐらつく原因について解説します。
歯がぐらつく原因について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
記事監修者
歯科医師/岡本孝博
高知県の僻地出身
高校卒業後、アパレル業界へ。デザイナーを経験後、歯科医師になる。
2008年より、京都大学医学部附属病院に勤務。基幹病院病棟医長/外来医長、地域基幹病院歯科口腔外科の所属長、地域医療連携における部門部長、難治性外来非常勤医師を務める。また、研修指導医取得はじめ数々の認定医資格を取得
2018年に㈱スクリエを創業
歯がぐらつく場合は歯周病かも?
歯がぐらつき始めた場合、歯周病の可能性があります。
歯は歯茎の下にある歯槽骨と呼ばれる骨で支えられています。
歯周病になると、歯槽骨を溶かし始め、歯がぐらつく可能性が高まるのです。
歯槽骨が溶け始める状態を放置した場合、歯がぐらつき、抜け落ちるまで継続的に続きます。
そのため、早期治療が必要になるのです。
歯がぐらつく度合いは歯周病の進行度によって変わる
歯がぐらつく度合いは、歯周病の進行度によって変わります。
そこで、歯周病の進行度別に歯のぐらつく度合いについて解説します。
歯肉炎
歯肉溝(歯と歯茎の間の溝)に歯垢が溜まることで歯肉炎になります。(歯垢が付着して、2〜4日で起こると言われています)
歯茎が腫れて赤みを帯び、歯ブラシで触ると出血します。(その他の自覚症状はほぼありません)この段階では歯槽骨の破壊は起きていないため、歯がぐらつくことはありません。
軽度歯周炎
歯肉炎がさらに進行して4〜7日程度経過した状態です。歯茎の腫れがひどくなり、歯周ポケットが深くなるため、歯垢や歯石が溜まりやすくなります。歯茎の出血を認めることもあり、歯茎が腫れるなどの自覚症状が出る方もいます。
中度歯周炎
歯周ポケットがさらに深くなり7〜14日程度経過した状態です。歯周ポケットが形成され、ポケット内の細菌が異なることにより、口臭リスクなども高まるでしょう。
重度歯周炎
歯肉から周囲組織である歯槽骨などの周囲組織に炎症が波及し、ほとんどの方が歯がぐらつくのを自覚するでしょう。食べ物がほとんど噛めない程に歯がぐらつき、膿や口臭の程度がひどくなります。放置すると、自然に歯が抜ける可能性もあります。
歯周病以外で歯がぐらつく原因は?
歯がぐらつく場合の原因は、歯周病以外にもあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
歯根に膿が溜まる
虫歯などが原因で歯根の先に膿が溜まると、徐々に拡大し歯槽骨を吸収していくことで、歯がぐらつきはじめます。
歯根が割れる
歯根にヒビが入って割れてしまうと、歯がぐらつくようになります。重度の虫歯治療などで神経を取り除いた歯に起こりやすくなる症状です。また食いしばりや歯ぎしりなども歯根が割れる原因になる可能性があります。
特定の歯に過度な力が加わる
食いしばりや歯ぎしり、歯並びの乱れや歯の欠損などが原因で特定の歯に過度な力が加わると、歯根膜がダメージを受けます。その結果、周囲の骨を吸収し、歯がぐらつく場合があります。
歯をぶつける
転倒や不慮の事故、スポーツなどで口元を強く強打すると、歯にダメージが加わって歯がぐらつく場合があります。
被せ物が外れかけている
被せ物が外れかけていると歯がぐらつく原因になります。また接着剤や被せ物が劣化する場合も同様です。特に神経を抜いて、土台が入っている歯で生じやすいでしょう。少しでも異変を感じたら、速やかに歯医者で治療を受けてください。
歯がぐらつく時の注意事項は?
歯がぐらつく時に注意いただきたい内容をまとめました。
万が一、歯がぐらつく場合は次の3つのことに注意してください。
歯医者の予約が取れない時は硬い物や粘り気のある物を控える
歯がぐらつく時に硬い物や粘り気のある物を食べると、歯に負荷がかかり、ぐらつきが大きくなる場合があります。歯がぐらつく時は歯医者に行くのが大事ですが、すぐに予約が取れない時などは、なるべく柔らかい物や粘り気がない物を食べてください。
痛みを感じる場合は痛み止めを服用する
歯がぐらつく時に痛みを感じる場合は、痛み止めを服用してください。服用することで炎症が抑えられ、痛みが和らぎます。市販の物でも効果が期待できますので、痛みを感じる場合は試してみてください。ただし、あくまで対処療法(その場しのぎ)で原因は解決していないので、歯医者さんに行ってください。
早期治療のために歯医者を受診する
歯がぐらつく場合、歯肉だけでなく歯の状態が悪くなっている場合があります。放置すると、最悪の場合、歯が抜け落ちるケースもあるでしょう。確実に治療するためにも、歯がぐらついてきたら上記を参考に、歯医者さんの予約を取ってください。
まとめ
今回は、歯がぐらつく原因について解説しました。
歯がぐらつく原因は歯周病だけではなく、以下の原因があります。
- 歯根に膿が溜まる
- 歯根が割れる
- 特定の歯に過度な力が加わる
- 歯をぶつける
- 土台や被せ物が外れている
また歯がぐらつく際には次のことに注意してください。
- 予約が取れない時は硬い物や粘り気のある物を控える
- 痛みを感じる場合、夜間帯などでやむを得ない場合は痛み止めを服用する
- 早期治療のために歯医者を受診する
歯のぐらつきは、放置していても自然に治ることはありません。
放置すると歯が抜け落ちるケースがあるのです。
確実に治療するためにも、歯がぐらついてきたら、速やかに歯医者を受診してください。
記事執筆者
廣瀬哲人
株式会社ENロジカル代表
京都大学医学部医学研究科在学中に脳神経の形成機構の研究に従事。
在学中に起業し、事業売却を経験。
自身もwebのディレクターとして従事し、経営する会社ではいくつものwebメディアを運営している。
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記事監修者
歯科医師/岡本孝博
高知県の僻地出身
高校卒業後、アパレル業界へ。デザイナーを経験後、歯科医師になる。
2008年より、京都大学医学部附属病院に勤務。基幹病院病棟医長/外来医長、地域基幹病院歯科口腔外科の所属長、地域医療連携における部門部長、難治性外来非常勤医師を務める。また、研修指導医取得はじめ数々の認定医資格を取得
2018年に㈱スクリエを創業